アマゾンの中学受験関連本で堂々第一位なのがこちらの「中学受験 大逆転の志望校選び」です。
この本のスゴイところは、実際の私立中学名や偏差値情報が掲載されているため、本当に志望校選びの参考になるところ。(中学受験関連本は内容が漠然としたものも多いので、本当に志望校選びの参考になるのは重要です。)
1,620円と少々値は張ります(Kindle版なら1,300円)が、購入して無駄にならない1冊です。
「大逆転の志望校選び」の校風マトリクス
「大逆転の志望校選び」では、実際どうやって志望校を決めたらいいか様々な観点で書かれています。まず最初の「学力と校風で考える 絞り込みメソッド」では、具体的な志望校選びの方法に加えて、校風から学校を選べるマトリクスが掲載されています。
校風マトリクスは、革新・体験、管理、保守・知識、自主性の項目に分かれており、目当ての学校がどこにあるかを見れば、何となくの校風が見えてくるという仕組み。
実際の私立中学が掲載されていますし、男子校・女子校・共学校・附属校と分かれているので、これまた比較しやすい。
以下のページで、男子校と女子校の校風マトリクスが立ち読みできるのでどうぞ。
>>>校風マトリクス、男子校・女子校(文藝春秋サイト)
また少し長いですが、目次を引用しておきます。
【目次】
史上初⁉ 校風で志望校を選べる
校風マトリクス【男子校・女子校・共学校・大学附属校】
問題傾向の違いがひと目でわかる
3種の過去問マトリクス【算数・国語・処理力】はじめに
Step1 志望校選び篇
第一章 学力と校風で考える絞り込みメソッド
01 皆が陥る「志望校選びの罠」
02 どのあたりの学校を狙えるか
03 現実的な志望校は6年生9月までに
04「校風マトリクス」とは
05 校風マトリクスで見る実例~男子校
06 校風マトリクスで見る実例~女子校
07 校風マトリクスで見る実例~共学校
08 校風マトリクスで見る実例~大学附属校
09 逆転合格の鍵を握る「過去問との相性」
10 偏差値の変遷と学校の盛衰
11 データに表れない部分もある
Column1 私立・国立・公立中高一貫・地元の公立第二章 学校の真の姿を見極める情報戦略
12 部活と宿題の現実
13 表に出てこない「切り捨て」と「不登校」
14 学園祭で先生の服装チェック⁉
15 学校説明会で得られるお宝情報
16 英語教育の本気度を見抜く
17 女子の理系進学と理科教育
18 塾に行かずに大学受験ができるかどうか
19 早・慶・上・理の大学合格者数に騙されない
20 入口偏差値と出口偏差値
21 上位層ではなくボリューム層を見る
22 学校の姿勢はこんなところにも
23 学費・寄付金にも格差が
Column2 男子校・女子校・共学校・男女別学Step2 志望校対策篇
第三章 最大効果を上げる「赤本」の使いこなし方
24 「赤本」は目的によって使い分ける
25 「赤本」をケチると後悔する
26 点数を引き出す「赤本」の使い方
27 入試問題の実物は必須
28 早すぎる過去問着手は要注意!
29 過去問1回分は直前まで取っておく
30 第二・第三志望の取り組み方
Column3 大規模校・小規模校第四章 大逆転に直結する過去問の取り組み法
31 「算数マトリクス」で過去問分析~典型題か思考題か
32 「国語マトリクス」で過去問分析~記述の量
33 「処理力マトリクス」で過去問分析~解くスピード
34 解答用紙は学校からのメッセージ
35 手ごわい解答用紙の攻略法
36 マトリクスと解答用紙で子どもとの相性を測る
37 解く時に必ず行う三つの手順
38 合格最低点との点差を埋める見直し法
Column4 宗教校第五章 最短合格のためのプロの手法
39 志望校別対策講座が有効な子、有効でない子
40 志望校レベルに合わない模試は意味がない
41 模試によってタイプが異なる
42 3ヶ月前の合格判定は40%くらいがちょうどいい
43 模試の判定と過去問の出来、どちらが重要?
44 “仕上がりつつある”とはどういう状態か
45 “頑張ったら届く”の見極め方
46 “頑張っても届かない”の見極め方
47 中堅校・標準校は、最後の詰め込みで突破できる
48 志望校対策を家庭教師にお願いするなら
Column5 大学附属校第六章 本番で我が子が力を発揮する受験スケジュール
49 入学金期日は超重要
50 “前受け校”は進学対象かどうかで選び方が変わる
51 入試日程の組み方
52 午後受験は詰め込みすぎない
53 面接は合否につながるのか
54 子どもへの合否の伝え方は慎重に
55 「1校合格」と「全滅」は天と地の差おわりに 大逆転の本当の意味とは
付録書き込み式!
志望校検討シート&学校説明会・学園祭チェックリスト
超絶苦手科目がある子に役立つ教科別マトリクス
目次を見てもらうと分かる通り、どの章も内容が非常に具体的で実際の志望校選びに役立つ内容ですが、私が一番ありがたかったのは「第四章 大逆転に直結する過去問の取り組み法」です。
というのも、次男の国語偏差値は壊滅状態。特に漢字や語彙問題、記述は全く点数が取れない(つまり、国語を構成するほとんどの項目がダメということですが笑)…。ですが!!文章題の選択問題は意外と正答率が高いんです。
長男と比べても、文章題の記号選択問題は次男の方が得点できているほど。
ということは、入試が記述問題がない選択問題だけの私立中学なら、次男にも希望はあるのではないか!? というところからの、本書の国語マトリクス。
国語マトリクスでは、縦軸を偏差値、横軸を「記述が少ない」「記述が多い」で各学校をプロットしています。記述の多さもA~Hで分類されていて、Aの記述なし校も少ないながらある! おぉ次男にも希望があるかも!
漢字について書かれていた箇所がありました。
国語では漢字に弱い子も一定数います。D君は漢字に滅法弱いタイプ。コツコツと漢字の練習を続けてもなかなか定着しません。テストでは選択問題や抜き出しでそこそこ点数を稼ぐのですが、漢字はほぼ壊滅状態です。D君の第2志望は、国語に漢字の出題があるだけでなく、社会も答えを漢字で書けないと×になる学校だったので、志望校を偏向しました。
やはり、漢字が苦手な場合は志望校選びも慎重にしないといけないということ。社会の答えが漢字指定であるかも要注意っとメモメモ…。
どれもこれも「なるほど」な内容
このように、「大逆転の志望校選び」は実際の私立中学名が掲載されていること。また模試の項では、合不合・日能研・サピックス模試のどれを受けるべきかまで書かれているので、志望校選びのバイブルと言われるのも頷けます。
ちなみに最初の方にあったこちらには考えさせられました。
〇最難関校
塾のテキストの半分以上は自力で理解でき、塾のカリキュラムに乗った上で点数を出し、上位クラスにいられる。ただし、低学年から家庭教師をつけたり、親の監視下で勉強漬けだったりしたにもかかわらずギリギリ上位クラスの下の方に引っかかっている、というタイプは、6年生になると周囲に抜かれていき、入試前に息切れしてしまう可能性大。
〇難関校
公開テスト(範囲の決まっていないテスト)で正答率が70%以上の問題は基本的に落とさない。また、範囲の決まっている復習テストに「自力で」対策をして臨んだ場合、7~8割は取る力がある。
〇中堅校
塾との相性が非常に大きい。難関校以上向けの塾(サピックス、希学園など)で苦しんでいるならば、中堅校に強い塾(日能研など)に転塾すべき。範囲の決まっている復習テストは、「親や家庭教師の力を借りて」対策をして臨んだ場合、7割以上は取る力がある。
これにもなるほど…と。次男は範囲の決まっているテストしか体験しておらず、そういう意味では6年生にならないと実力は測れないとも感じました。ただ、現実的には「自力で」というのがミソで、中学受験は親の受験と言われる所以…
我が子は二人ともまだ自学自習ができないので、本来は中学受験でなく高校受験・大学受験を見据えた方が成長に繋がるだろうなと。長男は中学受験しそうなので仕方ありませんが、次男は恐らく地元中学がいいだろうな。
っと、話がどんどん逸れていき、レビュー記事がただの感想記事になってしまいましたが、なるほど~とメモメモ場面が多い「大逆転の志望校選び」お薦めです。
中受関連の問題集は素晴らしいものがどんどん出てくるし、「大逆転の志望校選び」みたいな本まであるとますます塾なし受験が現実的になってくるなぁ。
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