我が子たちが小学校低学年の頃は、とにかく自分も懸命で、問題集もあれやこれや試してみていて試行錯誤状態でした。ですが、長男は現在中学受験を経験し中学1年生。また、わたしは自宅塾で低学年の子たちに算数を教えています。
その体験を通して感じるのは「学校算数だけじゃもったいない!」ということ。
目次
学校算数だけでは「考える」練習はできない
学校算数では「考えること」は排除される傾向にあるので、算数は計算問題だと勘違いしている子も多くいます。
それは文章題でも同じで、学校で配られるプリントには例えば「かけ算」とか、単元が書いてある(笑)
そのプリントでは全部掛け算にしちゃえば正解。なんですよね・・・。またははなまるリトルにこんな問題がありました。
「4人のりの車が4台あります。20人いるとすると乗れない人は何人ですか」
これ、学校算数しかやったことのない子は4×4まではいいとして、そのあとも「なんとかかけ算にしなきゃ!」と一生懸命。かけ算をすることしか考えられないんですよね。(そういう子、いっぱいいます)
これって、原因は「学校算数しかやっていない」場合も多いもの。文章読解は、文章を数式に表すことなのに単元に捕らわれてしまう。
でもやったことないことが出来ないのは当然です。だからこそ…学校算数が問題ない場合は、一元的な問題だけじゃない、多種多様な算数の問題に触れるのがおすすめ。
そんな色々な問題に触れられるおススメ問題集をいくつかご紹介します!
四谷大塚・はなまるリトル算数
はなまるリトルの良いところは、問題バリエーションの多さです。
例えば掛け算にしても、ビンゴゲームのような遊び要素のあるものから、「>・<・=」を入れるものや虫くい算。文章題もかけ算と足し算を両方使うものもあり。
個人的には「2+2+2=2×□」なんて問題もさすがだなと。九九は暗記しているけれど、2×3は2+2+2とイコールだと理解して使うことができる子って少ないもの。
これはかけ算の概念とイコール(=)の意味を理解していないと解けません。
こう書くと硬そうな問題集かなと感じますが、見本の通りイラストも多く「楽しんで勉強しよう」という四谷大塚の意図が伝わってきます。(同時に「中学入試するなら思考力もね」というメッセージも感じますが)
はなまるリトルは、全体のボリュームは少な目なので、毎日コツコツではなく「たまに」でもじゅうぶんやりきれる1冊。気軽な気持ちで取り組むことができます。
ただ、こういった少し難しめの問題に初めて取り組む場合は、ある程度親が教えてあげるのがいいかもしれません。小1・小2のものは決して難しくない(空欄に当てはめる問題が中心)ので、たまに親子で頭の体操くらいの気持ちで取り組むのもおススメです!
はなまるリトル1ねんせいさんすう /四谷大塚出版/四谷大塚知能教育研究所
はなまるリトル2年生算数 /四谷大塚出版/四谷大塚知能教育研究所
今改めて!「最レベ」系問題集はおススメ
長男が中学入試を体験しましたが、中学入試算数において大切だなぁと思ったのは、何にも増して”手を動かす!図を書く!線を引く!”こと。
中学受験算数では、線分図を書かないと(通常は)解けない問題もありますし、とにかく中受算数では、文章を式のみならず「図」に表す力が非常に役にたちます。
そんな観点からおススメなのが「最レベ」算数。


図という視点から「最レベ1年生」を見てみると…なんと!1年生のものから、バッチリ線分図がでてきます。
それも学校算数で2年生にまずやるテープ図ではなく、最レベでは1年生から普通の線分図なんですよね~。
足し算や引き算単元では、線分図を使った問題がバンバンでてくるのですが、中でもさすが!と感じたのが、線分図から式→答えの順番で解かせるところです。
1年生だし線分図から答えが分かればいいのでは?と思うところですが、そこはさすがの最レベ。「式を書いてから答えを出しましょう」と問題文に書かれているんです。
驚くのは1年生算数から学校算数と中受算数のレベルがこんなにも違うことです。そのことを知らずにいたらどうなっていたんだろうと恐ろしくなるレベル。
「考える」という算数の基本的な力に繋がる問題も多いので、中受を考えていない場合にもおすすめです。
ハイクラスドリルは難易度やや高めで使いやすい1冊
最レベ系統よりも難易度は下がりますが、ハイクラスドリルも使いやすい1冊。問題は奇をてらわない良問揃い。

「え、この問題はないでしょう!!?」というびっくりがなく使える問題集です。逆に言うと、唸るような難問もないので、安心して使えるのが特徴。(女の子におススメ!)
学校では習わない特殊算は、最後の方にまとまっていて分けられているので、混乱もなし。難易度高め問題集の中では安定1冊!
計算練習ならば四谷大塚「リーダードリル」
小4くらいからの難易度高めの計算ドリルはいくつかはありましたが、本当になかったのが低学年向けの難易度高めの計算ドリルです。
それが2018年に販売されたのが、四谷大塚の「リーダードリル」です。小1から虫食い算が出てくるし、分量も多め。小1はまだいいとして…小4のものくらいになると1冊仕上げるのもヘロヘロになること間違いなし。なんですが、計算力は確実に付きます。

小4のリーダードリルは予習シリーズ4年上と比べても遜色ない難易度。小1・小2も通常の計算ドリルに比べると難易度高め(先取り範囲や学校で習わないものも多少あり)です。
小4くらいから中受算数と学校算数の計算レベルがグンと離れていきます。その難易度高い計算レベルにスムーズに移行するためにもリーダードリル、おすすめです。
明確に中学受験に向かうならサイパーも
私が愛するサイパーシリーズ。サイパーは、中学受験の基礎を自学自習するためのドリルシリーズです。
ここで具体的なシリーズの紹介は割愛しますが、小1~小4まで、各学年に最適なサイパーシリーズを紹介した記事があるのでどうぞ!
通信教育なら「リトルくらぶ」
問題集ではありませんが、より高い難易度をという場合は通信教育もおすすめです。通信教育はZ会や進研ゼミなど多々ありますが、難易度が最も高いのが「リトルくらぶ」。四谷大塚の通信教育で小1~小3が対象になります。
毎日やるページが指定されているなど、子供がコツコツ取り組むのにも最適。また、難易度高い問題に触れられるのもリトルくらぶならです。
>>>リトルくらぶ
まとめ
我が子が中学受験を経験したり、または高学年になったからこそ感じる、低学年におススメの算数問題集を紹介しました。
最近低学年の子の勉強をみるにつけ、もともとの実力はあるのにレベルアップする機会がないんだよなぁと感じます。また、低学年のうちはちょっとの暗記で乗り切れた学校算数も、5年生算数になると突然「思考力」が求められて(単位量あたりや割合)、あれ?って思っている間にすっかり算数が分からなくなったなんて話も。
ここで紹介した問題集は、はなまるリトルは「四谷大塚」だし、最レベには「中受準備に」とか書いてあるし…でなかなか手に取る機会は少ないかもしれませんが、中受しない場合でもおススメですし、我が家がそうであったように新しい「算数」の世界が開けるキッカケになるかもしれません。
普通の問題集より若干値は貼りますが、内容は間違いなし。小さい書店だと置いていない場合も多いと思うので、ネット購入もおススメです。
はなまるリトル1ねんせいさんすう /四谷大塚出版/四谷大塚知能教育研究所
はなまるリトル2年生算数 /四谷大塚出版/四谷大塚知能教育研究所
最近のコメント