最初に結論を書くと、「出口の日本語論理トレーニング」は一般的な国語問題集とは全く別物です。パッと見は「同じじゃない?」と思うかもしれませんが、実際子供にやらせてみるとその違いが分かると思います。
普段子供たちが取り組んでいる国語の文章題は、言ってみれば「文章を理解できているかの確認」であり「文章題に慣れるための訓練」です。
ですが、この「日本語論理トレーニング」は文章を論理的に理解できるようにするための問題集です。
その日本語論理トレーニングを詳しく紹介したいと思います。
『出口汪の日本語論理トレーニング』ってどんな問題集?
小学館から各学年とも「基礎編」「習熟編」「応用編」の3種類が、1~6年生まで出版されています。
合計18冊。1年生はピンク・2年生は赤・3年生は緑と学年毎に色分けされています。
日本語論理トレーニング小学生シリーズは、全国の先進中学高校で使用され受験実績を上げている「論理エンジン」を小学生用に噛み砕いて論理エンジンJrとしたもの。
それでは出口先生の「論理エンジン」とは??
「論理エンジン」で述べる「論理」とは、もっと根本的なもの――「ものごとの筋道」を指しています。
私たちは日常においても知らず知らずに論理を使っています。つまり無意識のうちに筋道を立てているものなのです。(中略)
文章を筋道立てて追うこと、すなわち論理的に読むこと――これさえできれば、現代文の得点力は大幅にアップします。それだけではなく、英語、古文、漢文などの読解力もまたアップするのです。
つまりこの問題集は、文章を筋道立てて追うこと(論理的に読むこと)をトレーニングする問題集ということ。
(出口先生の「論理エンジン」に興味ある方は出口先生の「論理.jp」も覗いてみてください。「国語力」ってイマイチ何のことか分からなかったりしますが、論理エンジンのサイトを読むとなるほどと納得しっぱなしになりますよ!)
国語の文章題を解くのに読解力が必要なのは言うまでもありませんが、その読解力は文章題を解くことではあまり向上していきません。
よく言われているように読解力向上には「解くより読め」です。
そういった意味でこの日本語論理トレーニングは、ただの文章問題ではなく「設問を解くことにより、文章を論理的に読む訓練してくれる問題集」なので、小学校低学年でも取り組む価値が十分あると思います。
文章を筋道立てて追うことは全ての教科に通じる
我が家では今子供が最レベ算数をやっていますが、算数をやっていても「文章を筋道立てて追うこと」の大切さを実感しています。
長男がやっているのは小2の最レベ算数ですが、こちらの問題集の文章題がすごーく難しい。
文章を整理できてしまえば簡単なのですが、文章が捻ってあるので、文章を整理して理解するのがすごく大変。
私も一度読んだだけでは一瞬アレ?ってなります。そう、算数だって文章題を解くのには読解力が必要なんです。そしてこの読解力は全ての教科で必要なものなのです。
日本語論理トレーニングのおすすめポイント
- 設問を解いていくことにより、自然と文章を論理的に理解する力が身に付くような構成になっている
- 設問で取り上げられている文章が良く、正しい日本語に触れられる。音読教材としても使える。
- 単元がくっきり区切ってあるので、子供がどこで躓いているかを把握するのに役立つ
- 段階別(基礎・習熟・応用)になっているので、子供の国語力に応じた部分から始められる
ユニークなのは、国語の問題集なのに「算数の文章題」が登場したりするところ。算数の文章題ってある程度の読解力がないと読み解けないよな~って気が付きます。
最後に1つ…この問題集の欠点を挙げるとしたら「値段」です。1冊1,000円。その上本の厚みも手に取った感じ薄い…。いや、ですが問題数を数えてみると(手元にあるものは全部)どれも30問あり、ページも60ページ以上はあるんですが、1学年分すべてやると3,000円は少し悩む価格帯です。
学年で分かれている「基礎・習熟・応用」を1冊にして2,000円くらいにしてくれないかしら?なんていう勝手なつぶやきもありつつでした。
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